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大家さんのダイレクトメール
私の所有する物件の中に、半年以上決まらない「不良物件」がありました。
元は、自分で運営しようと思って建てた店舗だったのですが、あまりにも自分に都合のいいように、専用設計にしてしまったため、いざ賃貸にまわそうと思っても、間取りが特殊すぎて、借り手がつかなかったのです。
私も、募集を担当する管理会社の担当も困り果てていました。
そんな時に、
「ダイレクトメールを書いてみよう。」
と、思い立ったのです。
私は当時、花の小売業を営んでおり、その仕事に活かすために、ダイレクトメールの書き方を学んでいたのです。
そこで、「商品」をアパートに置き換えて書いてみようと思ったのです。
多くの不動産屋さんは専任であっても、同業者に情報を流し、客付けを依頼します。
その多くは、よくある募集チラシをそのままFAXするといったやり方ですが、これでは、毎日たくさん送られてくるチラシの中に埋もれてしまいます。
そこで私は、ちょうどダイレクトメールの勉強で得た知識から、建物の魅力(借りることによって得られるメリット)を、「これでもか!」というくらいに書き出した文章を書き、管理会社に頼んでFAXしてもらおうと考えたのです。
さっそく、問題の店舗物件の魅力(メリット)を書き出してみました。
1.築3年の新しい建物。
2.園芸店・喫茶・ダンスホールの3業態複合であったため、厨房設備完備。
3.園芸部門は温室を使用していたため、そのままサンルームの客席へ転用可能。
4.2階のダンスホールの床はダンス専用の高級フローリング。
5.さらに面積は30坪。客席にも転用可能。
6.厨房と2階の間にはダムウェーダー(小型エレベーター)完備。
7.トイレは男女別。
8.厨房の裏口は屋根付駐車場に面しているため、デリバリー業態にも最適。
など、徹底的に書き出しました。
ここまでは、けっこう思いつくでしょうが、私はさらに「地域」を売り込みました。
9.郊外型居酒屋まで徒歩1分。
10.大型ゲームセンターまで、徒歩1分。
11.向かいは県下最大級の中古車販売会社。
12.右となりはカーショップ。
13.左となりは大手自動車ディーラー。
14.斜め向かいは準大手自動車ディーラー。
15.以上6点から、若者の集客が見込める。
16.半径500メートル以内に保育施設が8箇所。
17.同じく小学校は7箇所。
18.以上2点から、若い夫婦層が商圏内に存在することが予想できる。
19.店舗周辺は古い土地柄でもあるので、シルバー層も多数存在する。
けっこうすごくないですか?
腰をすえて書き出してみると、これだけ出てくるのです。
これをダイレクトメールに書き、管理会社に頼んで仲介業者に送ってもらいました。
その結果どうなったでしょう?
全然ダメでした。
「この手法はだめなのか?」
などと落ち込んでいたのですが、管理会社が他の物件に応用してみたところ、驚異的な成約率が出ました。
いままで、長期間空いていた物件まで、次々と成約してしまったのです。
ということは、手法自体に問題があるのではなく、物件自体に問題があるということになります。
つまり、「自分のことだけを考えた専用設計」が邪魔をしていたのです。
汎用性を持たせた設計をしておけば、とっくに決まっていたのでしょう。
また、もう1つ発見がありました。
管理会社は私の作った原稿を基に、パソコンで作成したDMを名簿業者から購入したリストへFAXの一斉配信で送っていました。
その結果、反応率はゼロ。
私は、
「この会社のお店が近所にあったら良いなあ。」
と思えたチェーン店本部の店舗開発部のFAX番号をインターネットで調べ、「手書き」でDMを書き、送ってみました。
その結果、反応率100パーセント!!
上記の理由で成約には至らなかったものの、物件調査には来ていただけたのです。
成約率が悪かったとはいえ、反応率100パーセントというのは驚異的です。
「手書き」で、大家さん自身からのFAXというのがポイントだったのです。
また、自分が近所に来て欲しいと思える会社に送りましたので、「気持ち」がこもります。
このことが反応率を押し上げたのでしょう。
仲介業者に情報を流す時に、安易に募集チラシをFAXするのはお勧めできません。
これで決まるのは、「駅至近」とか、「築浅」、「格安」などの、決まりやすい物件だけです。
まずは、自分の物件の魅力(そこに住むことによって得られるメリット)を「これでもか!」というくらいに書き出してください。
それを送ってあげれば良いのです。
実際にやってみると、自分でも気付いていなかった物件の魅力が出てきて、結構楽しい作業になりますのでおすすめです。
投稿者 manshitsu : 2007年05月03日 14:13

